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[対談企画] Aiming田村CFO / 21.2億円の資金調達とマーケティング分野でのグロースアクション実施の舞台裏

Aiming

株式会社Aiming

市場:東証グロース(3911)
業種:情報・通信
事業概要:オンラインゲーム制作、オンラインゲームプロデュース

オンラインゲームの企画・プロデュース・開発・運営を行なう株式会社Aiming(エイミング)は、2020年2月より、グロース・キャピタルを割当先とする新株予約権ファイナンスを行い、21.2億円の資金調達に成功。2020年7月には、開発を手がけたスクウェア・エニックス社の「ドラゴンクエストタクト」のサービスも開始。今回の資金調達の責任者であった取締役CFOの田村紀貴氏に、グロース・キャピタルとの業務提携を通じた資金調達とグロースアクションについてグロース・キャピタル代表の嶺井が伺いました。

案件概要

判断基準は「未来につながる資金調達か否か」

嶺井 改めまして、21.2億円の資金調達、おめでとうございます。

田村 ありがとうございます。

嶺井 今日は、CFOとして資金調達を実行された田村さんに、調達の実務とその後の戦略についてお聞きできればと思います。まず、資金調達の際に、財務責任者として考えておられたこと、また当社グロース・キャピタルを提携相手に選ばれた理由をお伺いできますでしょうか。

【プロフィール】 田村紀貴(たむら・のりたか)

株式会社Aiming最高財務責任者(CFO)。1977年、東京都生まれ。2003年株式会社サクセスに入社。経理財務責任者として株式会社サクセスネットワークス(現株式会社バタフライ)の設立など組織再編に携わり、2007年同社に転籍、管理部門の立ち上げからIPO業務に至るまで経験した後、2013年株式会社Aimingに入社。経営管理グループゼネラルマネージャーとして従事。

田村 ファイナンスを実行するに当たっては、デットであれ、エクイティであれ、それぞれの手法にメリット、デメリットがあります。そうしたなかで、当社がもっとも重視したのは、未来につながるファイナンスか否かという点です。

嶺井 資金ニーズを満たすのはもちろんですが、調達後、どのように将来の成長につなげていくかを考えておられたということですね。

田村 はい。そのような中、新株予約権ファイナンス単体ではなく、その後の成長支援であるグロースアクションをセットにしたグロース・キャピタルの提案は、とても新鮮でした。株式の希薄化や、新株予約権ファイナンスゆえの株価推移による資金調達額の変動という不確定要素はあるにしても、今回の座組みであれば、「未来につながる資金調達」を実現でき、そのメッセージを社内外に伝えることもできると考え、提携させていただきました。

嶺井 ありがとうございます。提携後、プロジェクトのキックオフから資金調達発表までの準備の過程で、印象に残っていることはありますか?

田村 やはり印象に残っているのは、資金調達のスケジュール検討ですね。当時、「ドラゴンクエストタクト」という未公表情報を抱えていたため、どのタイミングで資金調達を発表することがベストなのか、顧問弁護士にも相談しながらスケジュールの調整を何度も行ったことを覚えています。

嶺井 当時、御社の発表を通じて大型IPタイトルの準備があるということは私も知っていたものの、まさかそのIPが「ドラゴンクエスト」だとは思っていなかったので2月に発表された際は大変驚きました。

田村 嶺井さんにもタイトルをお伝えできない状況だったので、もどかしい部分はありましたね。とはいえ、タイトルを伏せた状態でも真剣に議論して頂き、今振り返れば、良いタイミングでファイナンスを開始できたと感じています。

エクイティファイナンスはパートナー選びが大切

嶺井 実際に2020年3月から新株予約権ファイナンスを開始することになったわけですが、業務内容や負荷はいかがでしたか?

田村 私が実務として携わったのは、各種契約書、開示書類の作成、東証や財務局への事前相談などです。初めてのことも多かったですが、グロース・キャピタルや弁護士の支援があったため、大きな負担もなく、スムーズに進行できました。
余談ですが、新株予約権の行使手続きで捺印する箇所があり、そのために何度か出社をしたのは、コロナ禍でリモートワークをしていた時期特有の出来事でしたね。

嶺井 そうでしたね。あの時はご出社頂き、ありがとうございました。

田村 いえいえ。あと、私たちとしては、一定の調達額を確保することも重視したポイントでした。そのため、ローンチまでは株価の変動もあり多少やきもきしましたが、最終的には調達期間中、株価が堅調に推移し、良い調達となりました。

嶺井 そう言って頂けて嬉しいです。資金調達が無事完了し、これからが本番だと思いますが、今後の方針はいかがでしょうか。

田村 おっしゃるように、調達はあくまでステップなので、これからが本番です。おかげさまで「ドラゴンクエストタクト」も好調ですし、ゲーム開発会社としての本分である、「おもしろいゲームをユーザーの皆様に届けること」に集中できる環境がこの調達で整いました。また今回の「ドラゴンクエストタクト」の発表、資金調達を経て株主数が2019年12月末の8,576名から2020年6月末に15,205名まで増加しました。これは当社に期待してくださる方、応援してくださる方が増えたということなので、引き続き本業に力を入れることでその期待に応えていきたいと思います。

嶺井 そんなに株主数が増えたんですね。当社で行わせて頂いているグロースアクションも、株主の皆さんにご期待頂いていると思うので当社も頑張りますね。ちなみにグロースアクションについては、どのような印象をお持ちでしょうか?

田村 グロースアクションは、このスキーム自体を大変高く評価していたものの、正直に言えば、コンサルティングに関してそれほど期待しておりませんでした。もちろん嶺井さんの経歴はお聞きしていましたが、グロースアクションが始まるまでは、今回のテーマであるマーケティングに関して、嶺井さんがどのような知見をお持ちなのか、少し不安な部分もありました。ファイナンスに詳しいのはわかっていたものの、「事業やマーケティングは果たしてわかるのだろうか」と。ただ、弊社COOやマーケティング担当者との最初のミーティングで、ホワイトボードを使いながら、「この指標はこう活用するといいのではないか」「この点についてはこういった施策を行ないましょう」と主体的にご提案いただき、事業やマーケティング分野での経験に基づいた話をされている姿を拝見し、頼もしく感じました。

嶺井 ありがとうございます。それでは最後に、資金調達に悩む上場ベンチャー企業にメッセージ、アドバイスをお願いします。

田村 今回、新株予約権ファイナンスは初めての取り組みで、勉強しながら進めていく部分もあったため、伴走してくださったグロース・キャピタルの存在はありがたかったです。エクイティファイナンスは、日々、さまざまな手法が開発され、動向も刻々と変わっていると思います。その企業の目的やニーズに合ったものを選択するためにも、最新の情報をしっかり収集され、グロース・キャピタルをはじめ心強いパートナーを見つけられるのが良いと思います。

嶺井 メッセージ、そして本日のインタビューありがとうございました。ぜひ今後ともよろしくお願いします。

田村 はい。こちらこそ、よろしくお願いします。

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