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効果検証ができる個人投資家向けIRとは?「IRインサイト」メディア発表会レポート

グロース・キャピタル株式会社はこの度、上場ベンチャー企業が個人投資家に向けたIR活動を行う際に、独自メソッドで費用対効果を可視化することができる新サービス「IRインサイト」を発表しました。本レポートでは、2023年6月14日に開催したメディア発表会の内容を要約してお届けいたします。

■ 上場企業の個人投資家向けIRにはどのような課題があるのか

グロース・キャピタル 代表取締役社長/CEO 嶺井 政人 (みねい・まさと)

嶺井:東証がPBR1倍割れの企業に対して改善を促したり、政府による家計から資本市場への資金流入を意図した新NISAが発表されるなか、上場企業のIRの重要性は日に日に高まっています。
その一方で、上場企業の個人投資家向けIRには、解決すべき課題、改善余地があるのもまた事実です。

では、どのような課題があり、どのような改善余地があるのか――。その点について、私たちグロース・キャピタルが行なった独自調査の結果を踏まえ、ご説明します。

最大の課題は「施策による効果・結果が測定しづらい。わからない」

今回の調査では、144名(124社)の上場企業の役員、IR・財務担当者の方々にご協力いただき、「個人投資家向けIR活動における課題」を伺いました。
その結果、一番多くの方が課題としてあげられたのが「施策による効果・結果が測定しづらい。わからない」という点で、全体の57%の方がその点を課題として感じておられることがわかりました。

個人投資家向けIRは、時価総額300億円未満の会社ほど課題感が強い

上記の回答を時価総額別に集計すると、最もボリュームの大きかった「施策による効果・結果が測定しづらい。わからない」という課題は時価総額300億円未満の会社でより顕著にかかえていることが見て取れました。

■ 個人投資家向けIRに必要なのは「効果検証の土台」

時価総額300億円未満の会社にとってのメインのターゲット投資家は「個人投資家」になります。時価総額の小さい会社の株は、一般的に流動性が低く、売買額も少ないため、「機関投資家」の投資対象に入りづらいためです。

しかし、さきほどお伝えしたように、時価総額300億円未満の上場ベンチャーの多くは、個人投資家向けのIRに関して「施策による効果・結果が測定しづらい。わからない」という課題感を持っています。

上場ベンチャーの成長サイクル

そもそも、上場ベンチャーはどういった手順を踏んで成長していくのでしょうか。

市場で適切な評価を受けて、その評価を活用して資金を調達する。調達した資金を戦略の実行、すなわち、M&A、新規事業、大規模なマーケティング等に投下して成長を実現する――。その成長が再びマーケットに評価されて、その評価を活用して資金を調達するという「上場ベンチャーの成長サイクル」を回していくことが必要不可欠です。

みなさんもご存じのマネーフォワード、freee、ラクスル、ユーグレナといった名だたる上場ベンチャーはすべて、この「成長サイクル」をしっかりと回しながら成長を続けています。
しかし、多くの上場ベンチャーは、「M&Aに向けて資金調達をしたいけれど、流動性が足りないから資金調達できない」「適切な株価形成ができていないから資金調達できない」という理由から、成長サイクルを回すことが難しくなってしまっているのです。

成長サイクル実現に向け、個人投資家向けIRがボトルネックに

つまり、個人投資家向けのIRに関して「施策による効果・結果が測定しづらい。わからない」ことで、IRに合理的な予算確保や投資が行えず、「市場での適切な評価」を実現しづらい状態が生まれてしまっていることが、上場ベンチャーの成長におけるボトルネックとなっているわけです。

ベンチャー、スタートアップがイノベーションを起こし、世界で戦っていくためには、効果検証可能なIR支援が必要になる――。こうした問題意識と向き合うなかで生まれたのが、今回の私たちの新サービスになります。

■ 個人投資家の投資行動はどうなっている?

グロース・キャピタル マネージング・ディレクター 池田 朋弘(いけだ・ともひろ)

池田:嶺井からは発行体サイドの課題をお伝えしましたが、続いて「個人投資家はどのような状況に置かれているのか」についての調査結果を、ご説明します。

個人投資家は、ほとんどの上場ベンチャーを知らない

最初にお伝えしたいのは、個人投資家にとって上場ベンチャーの認知率は非常に低いという事実です。
数万人規模のアンケートを実施したところ、グロースの中でも時価総額がトップに入るような企業、たとえば、ビジョナル、freee、ANYCOLORの認知率ですらも10%を切っています。2023年6月13日時点で1,300億円程度の時価総額があるプラスアルファ・コンサルティングですらも2%もないという結果になっています。

この調査からわかるのは、個人投資家は4,000社弱ある上場企業のことをほとんど知らないという事実です。

個人投資家のほとんどは「長期保有」したいと考えている

次に、個人投資家の「保有期間」に関するアンケート結果についてご説明します。

個人投資家に対して、「買ってもすぐに手放してしまうのではないか」という印象をお持ちの方もいらっしゃることと思います。

しかし、私たちのアンケート結果によると、約8割の個人投資家は、購入したあと「少なくとも数カ月間」はしっかりと保有する、場合によっては1年、2年保有するといった志向性を持っていることがわかります。

もちろん、購入後1カ月以内に手放す「スイングトレード」志向の方、その日のうちに手放す「デイトレード」志向の方もいらっしゃいますが、その割合は2割程度に過ぎません。

長期保有志向の個人投資家の過半数は、認知→購入まで1ヶ月以上かけて検討する

では、長期保有志向の個人投資家は、実際に会社を知ってから投資するまで、どれくらいの時間をかけているのでしょうか。

アンケートからは、過半数の個人投資家が企業のことを知ってから購入するまでに、1カ月以上かけていることがわかります。たとえば、IRイベントに参加して、会社のプレゼンを聞いた個人投資家が「いい会社だな」と思ったとしても、「じゃあ、すぐに買おう」とはならないということです。自分なりに調べたり、じっくり考えたうえで購入する方が多いのでしょう。

個人投資家の実態をまとめると、そもそもほとんどの会社のことを知りませんし、「いい会社だな」と思ったとしても購入までに1カ月以上かけることが多いため、なかなかすぐに目に見える形で反応が見えない……。その結果、発行体からすると、「IR施策の効果検証がしづらい」という課題に直面してしまうことになるのです。

■ 効果検証できる個人投資家向けIR支援「IRインサイト」、4つの特長

私たちの新サービス「IRインサイト」をご紹介します。

「IRインサイト」を一言で表現すると、「株式を購入したかまでしっかりと検証できる個人投資家向けのIRイベント及びリサーチサービス」になります。

「IRインサイト」は次の4つの特長を有するサービスです。

1つ目は、「大規模集客」が実現できること。
2つ目は、「効果検証」ができること。
3つ目が、イベントを実施するだけではなく、個人投資家との「関係維持」まで組み込んでいること。
そして4つ目が、プレゼン資料作成を含めIR活動の「成果向上」に対しての支援も行なうこと。

ここからはそれぞれの特長についてご説明したいと思います。

特長1:大規模集客~毎回1,000人を超える参加人数

まずは、1つ目の「大規模集客」について。

先述しましたように、ほとんどの個人投資家は発行体のことを知らないわけですから、知ってもらわないと話になりません。そこで必要になるのが「IRイベント」です。

しかし、これまでのIRイベントの場合、50人、100人規模ということが少なくありません。個人投資家は、機関投資家に比べて投資余力は小さいのが一般的です。つまり、ある程度の母数がなければ、発行体の期待する売買に繋げるのは難しいと考えられるわけです。

一方、私たちが主催するオンライン主体の2時間程度のイベントは、3社、4社と複数の企業を知ることができる座組を採用し、集客規模も1イベントあたり1000人超を実現しています。今年5月に開催した、著名な個人投資家の方に基調講演をお願いしたイベントでは、約2,700人の集客に成功しました。もちろん、イベントをつくるだけでは1,000人規模の集客を実現するのは難しいため、広告宣伝費をかけたり、提携パートナーの協力を得たりと、それ相応のコストと労力を投下しています。

こうした大規模集客を実現することは、認知度の向上に加え、効果検証がしやすくなるというメリットがあります。

特長2:効果検証~実際に購入したかどうかまでリサーチ

2つ目の特長である「効果検証」について。1,000人を超えるイベントが開催できれば、アンケートについても数百単位で回収することが可能になります。

アンケートではイベント直後に「イベントで話を聞いて、投資したいと思ったか」を5段階評価で確認するところから始め、2週間後に「実際に購入したか」まで確認します。

そうすることで、たとえば「当日、5段階評価で5だった人は、このくらいの割合で購入している」とか、「当日、3だった方はこのくらいの割合」といった分析が可能になります。

これらの情報を都度リサーチすることで、「どのぐらいの人数にリーチすると、どのぐらいの割合で購入してくれるのか」を解像度高くご理解頂けます。

また内部的には、2週間後だけではなく、「半年後にどうだったのか?」などを独自調査しており、これらのデータをもとにさらに長期の行動パターンや期待値をお示しすることも可能です。

また、アンケートの内容面について、自由回答の記述を一覧でお渡しするのではなく、ChatGPTに代表される生成AI技術や、目視でのチェックにより「ポジティブなものにはどんなものがあるか」「ネガティブなものにはどんなものがあるか」を定量的に確認することが可能です。

これらにより「何が評価されて株が買われているのか」「何が評価されず、伝わらず、買われていないのか」を把握することができ、評価された点の強化、評価されなかった点の改善を行うことでPDCAをまわすことができるようになります。

特長3:関係維持~メールマガジンでの継続的な情報提供

3つ目は「関係維持」です。
イベントに参加しただけでは、遅かれ早かれ、その企業のことを忘れてしまうことになります。それを防ぐために、たとえば、株価が上がったり、好材料が出たときにメールマガジン等を使って連絡するなど、一度興味をもっていただいた方との関係性を維持する施策についても用意しています。

特長4:成果向上~独自フレームワークで伝わりやすい資料作成を支援

4つ目は、「成果向上」に対する支援です。
同じイベントに参加した発行体同士でも、2週間以内、半年以内に購入する個人投資家の割合は違ってきます。その差を生んでいるのは、業績やポテンシャルということもあれば、「話し方」「資料のつくり方」といった「伝え方」であることも少なくありません。つまり、「どういうプレゼンテーションをするか」が成果に影響を与えることになります。

当社では、これまで蓄積したナレッジ、独自のフレームワークを提供することで、伝わりやすいIR資料を作成する支援も行なっています。

私たちは、本サービスの提供を通して、上場ベンチャーの事業の成長を促す「攻めのIR支援」に注力してまいります。