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CFOからCEOへのステップアップ。ハードシングスの乗り越え方とは

この記事は後編です。前編をまだお読みになっていない方はぜひ前編もご覧ください。

登壇者

金坂 直哉
株式会社マネーフォワード 取締役グループ執行役員 CFO兼CSO

末藤 梨紗子
ビジョナル株式会社 取締役 CFO ※登壇時、執行役員 CFO

永田 暁彦
UntroD Capital Japan株式会社 代表取締役 リアルテックファンド代表

永見 世央
ラクスル株式会社 代表取締役社長グループCEO

嶺井 政人モデレータ
グロース・キャピタル株式会社 代表取締役社長

■CEOへのステップアップとCFOを譲るとき

嶺井:続いてキャリアです。先ほどの話にちょっと近づいてきています。 CEOへのステップアップが冒頭でもテーマとしてありました。永見さんと永田さんに聞きたいのは、どういう人がCEOにステップアップするのが向いているのか。どのようなタイミングならそれを検討すべきか。お二人の経験から聞かせてください。

永見:自分がCEOになりたいということをアピールしたことは一度もないので、選択権を持ったことは一度もありませんが、CEOになって時間の使い方も大きく変わりました。やはり財務に時間を使うことはほとんどなくて、事業や組織に時間を使い、お客様やサプライヤー様や社員と向き合う時間が圧倒的に増えます。そういうことも含めて、自分がエンジョイできるようであれば僕はいいかなと思っています。当社は社外役員にオリックスの宮内さんに就任いただいており、CEOに就任して1年目の途中に「上場会社のCEOはやはり大変ですね」と言ったら、「大変な仕事を選びはりましたな」と冗談で言われました。宮内さんはCEOの立場を30年以上務められました。感覚的にはスポーツに近い感じがしています。アスリートに近い感じがしていて、そういうゲーム、そういうプレーをしたい人にはいいと思っています。逆に合わない人にはもう最悪にストレスの溜まる仕事だと思っています。CFOからCEOにステップアップする事例が増えているし、僕は増えることは良いことだと思っているんですが、全員が合うかは別問題だと思っています。

嶺井:どういう人が向いていますか。

永見:長期でいろんなストレスも抱えながら意思決定をちゃんと最前線でやり続けて、最終的にすべての責任を取れる人です。繰り返しですがスポーツのような気がします。

嶺井:永田さん、いかがですか。どういう人が向いていて、どういうタイミングならチャレンジしていいでしょうか。

永田:最初の「CFOとは」の話にも若干関わりますが、やっぱりCFOの仕事として一番大切なのは資金調達以上に投資判断だと思います。 すなわち、この事業が適切に進んでいるのか。正しいチームなのか。そこに対してどうやって社内の有限である資源を投資するのか。これはほぼ経営の全てだと思うんです。そういう意味では、さっきの永見さんの話として、僕も「はい!やります」みたいな話ではなかったですね。どちらかというと、R&Dもマーケもセールスもそれぞれの部門がどのように投資していくのかというところで、社内からの質問相手がどんどんCFOである自分に寄って行ったというところです。

そうなると社内におけるコミュニケーションの主体がCEOからCFOに移動していた時期があります。役割としてほぼCEOとしての役割に近づいていって、例えば職務権限表上も、「じゃあもうここ永田さんがやってよ」というのがどんどん増えていきます。そしてボードの中で「もう実態を合わせた方がいいんじゃないか」という提起が起こって移ったという感じです。

嶺井:金坂さんは一度CFOを別の方に渡して、またCFOに戻ってこられていると思います。後任のCFOに引き継ぐタイミングはいつがいいでしょうか。 またそれはどうあるべきでしょうか?

金坂:タイミングというよりは会社全体としてのアウトプットのクオリティや、会社のパフォーマンスを落とさずに引き継げる人がいれば引き継いだらいいのかなという感じですね。うちには6年目のメンバーで、ファイナンス・IR担当のグループ執行役員がいるので、もう半分CFOみたいな感じになっています。 そのメンバーにはもうかなりIRにせよ財務にせよ、いわゆるCFO的なものも任せています。そのため今は事業の非連続の成長を作ったり、新しいM&Aの話をしたり、そちらに自分のリソースを割けています。最終的にはチームの中に役割分担とか渡せる人がいるかどうかというところに尽きるのかなという気がします。

嶺井:末藤さんは何か見据えていることはありますか。自分はどういうタイミングまでCFOをやるべきか。

末藤:難しい質問ですね。弊社の場合は創業社長がいて一番の大株主です。 南が後任を選ぶと思っています。だからこそ自分は何ができるんだろうかで言うと、ポジションにしがみつきたくないこと、そして次の人にバトンをお渡しする時にちゃんとしたチームがあることがすごく大事だと思っています。

未上場の時は目先のやらなくてはならないことで必死でしたが、上場すると、やらなくてはならないことに加えて、将来に向けてやりたいことが増えてきています。チームでやらないと経営として成り立たないと思っています。強いチームを作る。そういったものが整っていれば、良い形でバトンを渡せると思っています。

■ハードシングスの乗り越え方

嶺井:どんどんいきます。このセッションだからこそ聞きたい。一番苦労したのは何で、どう乗り越えたか。もしくは乗り越えられなかったか。永見さんから聞いていいですか。

永見:一番はパッと思いつかないですが、コロナ禍に影響を受けてコスト削減したことは結構大変でした。 上場する時のバリュエーション設定も、ポジティブな意味で設計などには苦労しました。 その都度苦労はしていますが、別に死ぬわけじゃないしみたいな気持ちでやっています。

嶺井:その時にどう乗り越えたか共通点はありますか。

永見:一晩寝たらストレスは大体なくなるので大丈夫なんです。かつPEファンド出身ということもあり、当時の経験を通して精神的なタフネスを鍛えられたとは思います。淡々とやれているというのは、そういう背景かもしれないです。。

嶺井:永田さんはどうですか。

永田:今の話を聞いてテクニカルに大変だったことはいっぱいありますけど、それは楽しい思い出だと思うんですよね。

嶺井:今振り返ると、ですよね。当時はやっぱり楽しくなかったですよね。

永田:いや、僕はキューサイの買収はめちゃくちゃ楽しかったです。あれが一番しんどかったけど、あのストラクチャーは一生二度と誰もできないと思っているので、 胸を張って楽しかったというのはあります。特に最後、ファンドとの条件交渉を朝の5時までやったことを僕は一生覚えています。本当に知的好奇心をくすぐられ、今でも興奮できる仕事でした。

自分の原動力は責任感です。自分は元々ファンド出身で、CEOに金を持ち逃げされたことがあるんですよ。僕は資本市場における出し手とその出される人間の関係性の部分に異常にこだわりがあるんです。夢があって上場した後に2,000億以上のバリュエーションがついた状態でPO(公募)をCFOとしてしたわけです。だからこそ、この15年間で僕の立場だからこそ抱えた責任感があるんですね。資本市場に対する責任感の経営内でのギャップ。これに僕は苦しみ続けたかもしれない。

永見:社内で誰も永田さんを理解してくれない。あるいは社外も誰も理解してくれない?

永田:そこの責任感が完全に一致できた日はないと思います。今CEOやっている若原さんは一定以上一致している点はあると思いますが。

嶺井:しかも永田さんは他の経営陣と違って株もほとんど持っていらっしゃらなかったそうですね。でもその株価を実現するために多くの投資家、個人投資家中心に会っていて、目の前のおじいちゃんおばあちゃんとか、そういう人たちからの意見もあるわけですよね。それはやっぱり相当なプレッシャーですよね。

永田:プレッシャーですね。一定の高さの株価がある間にM&Aをし続けているのもそうですし、バイオ燃料事業を成立させるために、事業責任者までやったのも、そのパワーの源泉は100%、投資家に対する責任です。あの時POした70億円をどうお返しするかがほぼ全てで。それはCFOだからこそ持っている責任感だと思っています。

■CFOのキャリアアップ。これからの10年に求められる能力とは

嶺井:ありがとうございます。ここからは会場から質問を受け付けたいと思います。シニフィアンの小林さん(Nstockエグゼクティブ・アドバイザーも兼任)、最初の質問をお願いします。

小林氏:ちょっと思うことを言うと、モメンタムを失った会社の話がありました。モメンタムを失った会社を退場させる仕組みが日本の資本市場はむちゃくちゃ弱いことが問題だと思っています。あとVCがM&Aで終わらせましょうと言わないんです。ゾンビ的に調達をやって5年引っ張るみたいなのがすごい多いです。 誰が幸福なのかよくわからない系の話があります。みんなで非上場化やM&Aをして仕切り直すことを増やしたいです。質問ではなくてすみません。宣言みたいな感じです。問題意識として持っています。2つ目はどうやったら給料が上がると思いますか。全体的にCFOの報酬が職責の割に低すぎると思っています。

永田:Nstock的にはどう働きかけていきますか。

小林氏:セカンダリーは増やしたいなと思っています。SO枠が後の方に入るとあまり残ってないという。日本はSO枠が少なすぎです。その時にセカンダリーでうまくできる仕組みとか、あるいは創業者のコールオプションを使うとか、いくつかの方法を使いやすくするというのをNstockでやろうと思っています。前にどこかで話したかもしれないですが、日本は創業者のリターンだけ異常に高いんですよ。50億円で上場しても創業者はリターンを出せますが、CFOには全然リターンは出ないです。すごいしんどい仕事なのに、よくよく考えると3年間で3000万円でしたというのが割とある。日本にとって良くないと思う。これを仕切り直したい。

嶺井:会場からもう少し質問をいただきつつ、登壇者の皆さんにこれからの10年、CFOはどうあるべきかというのを聞かせていただきたいです。最後にいらっしゃっている皆さんに応援メッセージをいただこうと思います。

質問者:この10年で言うと、ベンチャーCFOはファーストタイムCFOが結構います。私もそうですが、ビジネススクール上がりでCFOになったりしています。ただ、今はビジネスクールを上がりましたでCFOになるのはなかなかないパターンだと思います。どちらかというと何かを経験してからなる。あるいはもうちょっと下のレイヤーで入ってCFOになる。そうすると全体的にはCFOのスペックが上がってくるような気がしています。一方で、自分でIPOなどをやってみると、そんなにスペックはいらないんじゃないかなと思ったりします。上がってもやることはそれほど変わらないと思うところがあります。CFO全体として求められるレベル感というのは変わってくるのかどうか。ご意見をいただければと思います。

嶺井:永田さん、お願いします。これからどんどんスペックや求められるスキルセットが上がっていくべきなのか。上がるのかどうか。

永田:僕を指名してくれたのは大変良かったです。なぜかというと、僕は最初のスペックが最も低いので。何が言いたいかというと、僕は上場したとき、29歳です。VCにいたと言っても僕は2年しかいませんでした。大体皆さん、外資系証券やファンドにいらっしゃって、一定のことをやった上でのCFOです。僕自身はそれがほぼゼロです。一部上場した時も31歳です。誰からも学ばずにやってきたというのがあると思っています。だから大丈夫ということではなく、逆に僕は生存バイアスでスペックは不要だという気はないです。逆に必要性を感じる15年でした。

僕がCEOを退任すると発表した後に一番相談が来たのが、上場後の3年以内のCEOです。みんな、CFOがダメで困っているという相談です。

なぜかというと、未上場時は特定の株主と個別に向き合うだけでよかった。そこから市場と向き合わなくちゃならない。それをグローバルにやらなくちゃいけない。株価を上げていかなくちゃならない。M&Aが増える。エグゼキューションをしないといけない。あらゆることが増えていく中で、 CFOチームのケイパビリティが低いためにできないことが明らかに生まれているんじゃないかと思っています。

未上場時のCEOがちゃんと上場後のボーナスタイムである高い株価の時に、 コーポレートアクションができる準備を整えたIPOをしないといけないと逆に僕は思っている。そういう意味ではスキルセットやケイパビリティは必要だと思っている派です。自分自身がどうやって乗り越えてきたかというところで言えば、いろんな証券会社とお付き合いするとか、具体的な手法論に関しては、限りなく外部のナレッジを吸収して、自分で判断して取り込んでチャレンジしていくことでしか新しい経験は得られないので、その素地があるかどうかということはきっと大切なんだろうなと思っています。

上場直後のCEOたちの話を聞いて感じたのは、例えば会計士ですと。社長としてはM&Aをしたい。だけど、「今忙しくてできません」と言われる。明らかにリソースが不足しているんじゃなくて、ケイパビリティが不足しているのにCFOが自分をプロテクトするような方向に行ってしまっています。それによって成長機会が失われていて、ここをなんとかしたいという話がすごくあります。そういう意味では、外部からのあらゆるナレッジを組み入れて前に進むという意思のあるCFOになり続けていれば、事前の経験ではなくて、器がちゃんとある状態で前に進めば、スペックという表現が当たるかわかりませんが、受け皿の大きさによって前に進めるんじゃないかなとも思いました。自分は少なくともそれだけで生きてきました。

嶺井:ありがとうございます。最後にあと1つですね。会場から聞ければと思います。

質問者:CFOのキャリアの話で、スタートアップの2周目だったり、あとはプロフェッショナルファームからCFOになって、CFOからVCに行くというキャリアはスタートアップエコシステムの成熟とともに結構出てきています。一方で、日本の大企業、JTCとスタートアップCFOの断絶があると思います。スタートアップのCFOをやってる人がいわゆる日本的な大企業に中途で入ってCFOをやっていくためには、どういう条件が満たされればそういうパスが生まれるのか。もし考えがあれば伺いたいです。

金坂:正直わからないです。CFOは外からポンと来てやるのはめちゃめちゃ難しい仕事だと思います。社内のいろんな温度感とか人間関係とか事業責任者の性格とかいろんなことがわかってないと難しい仕事なので、JTCのCFOになる人が出てくるとすると、いきなりCFOというよりはCFO直下でCFO含みで採用されてということを、将来のキャリアパスとしてのCFOという認識を、CEOだったり指名報酬委員会を含めて、合わせてやるみたいなパターンが現実的なのかなという気がします。

■これからの10年に向けて。CFOへの激励メッセージ

嶺井:ありがとうございました。最後に登壇者の皆さんに聞いていこうと思います。これからの10年はどうあるべきか、 参加されている皆さんにメッセージをいただければと思います。

末藤:多様性という観点でこの会場(CFOの集まる場)に女性が増えたらうれしいなと思います。女性という多様性は一例ですが、経営においても多様な価値観を持った人材がいることが大切だと思っていますし、個人としても経験の多様性は大事だと思っています。私自身、証券出身ではありますが、事業会社を2社経験して、ありがたいことにさまざまな経験を積ませていただく機会を頂戴し、今に至っております。自分が決してすばらしいとは思わないですが、いろんな経験があったが故にCFOとしての今の自分の幅が生まれたと思います。

そして世の中が変わり続ける中で、自分もチームも会社自体も、変わり続けるために、多様なメンバーをウェルカムできるような、そういう文化を作ることが大事だと思ってます。それがまず 1つ。

2つ目は、スタートアップの世界に数年前に入らせていただいて、感じたことです。これまで、グローバルな規模の大きな企業で働いてきたため、IPOを経験するということがありませんでした。IPOがすばらしいのは本当にその通りだと思いますが、一方で、IPOしかイグジットがないというのは不健全だと思っています。より広い選択肢が会社にとってあるべきです。

この10年、スタートアップというシステムが拡大していく中では、さまざまな選択を取り得るストラクチャリングをしておくこと、いかにそれを仕込んでおけるかが大事だと個人的には思っています。当社はすでに上場を経験していますが、私はスタートアップの世界に入ってまだ5年であり、CFOとしてもまだまだ学ぶべきことが多くあるので、これから非連続の成長を実現していく上でさまざまな選択ができるよう仕込みをいかにできるかを次の5年間頑張りたいというふうに思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

金坂:ちょうど丸10年ぐらいマネーフォワードでやっています。30代がまるまるマネーフォワードで40代になるんですけど、人生を振り返って30代がピークだったなとならないように頑張ろうかなというふうに思っています。

末藤さんがおっしゃった、CFOの世界は男ばっかりというのをめちゃくちゃ感じています。話に出たうちのグループ執行役員のファイナンス・IR担当のメンバーは女性です。どんどんそういうCFOになるような女性が増えていくということが絶対に必要だと思いますし、逆にここにいらっしゃる皆さまは、そういった方を育てていく、サポートしていく義務があるんじゃないかなと思いました。

あとは、企業価値を高めていくとか、あるいはゾンビ化したスタートアップを退出させることも含めて、やっぱりCEOが判断しきれないところをしっかり CFOとして、例えば合従連衡を促進するとか、M&Aをするとか、場合によっては仕切って解散まで持っていくとか、そういう重い役割を持っている仕事だなと思います。今日 いらっしゃる皆さんも含めて意思決定をこれからしっかりやっていくと、より良くなるかなというふうに思いました。

永見:次の10年、2020年代にピン留めしたい目標は、 やっぱり時価総額1兆円を超える会社が何社生まれるかだと僕は思っています。国としてもそうあるべきだと思っています。

CFOの価値、事業側もあれば組織とか、いろんなことがあると思うんですけど、やっぱりなんだかんだいって一番バリューが出るのは資金調達、ファイナンスだと思っています。 ここにいる全員がその経験をできるかわからないし、自分ができるかわかりませんが、やっぱりワンラウンドで1,000億の資金調達できるみたいな、そういう規模をここにいる誰かが景色として作ったり見られたりすると絶対に1兆円行くなと思っています。

楽天さんとかソフトバンクさんの過去のファイナンスも全部見ているんですけど、大規模なファイナンスをエクイティでもデットでもやっていると、事業も規模がついてくるんですよね。ここにいるCFOが一番リードできるのがファイナンス、資金調達だとするならば、本当にワンラウンドで1,000億の調達とかを誰かがこの中で実現すると、それはCFOのプレゼンスをさらに上げることにもなるし、スタートアップをコミュニティとしてもう一段進化させることにもなると思っています。

永田:今日、社長との関係性みたいな言葉がいくつか出たんですけど、その時にやっぱり上下と感じているのか左右と感じているのかはすごい気になっていたところです。僕は常々、先ほどコバケンさん(小林賢治氏)からもCFOのバリューみたいな話がありましたけど、僕はずっと横にいると思ってやっています。だから、当たり前ですけど同じぐらいの経済価値をもらっていいという意味なんじゃないかなと、僕はコバケンさんの話で思いました。

いつもピッチャーとキャッチャーはどっちが偉いの?と思っています。両方いないといけないということは間違いなくて、それこそアメリカ型で言うならば、CFOとCEOが当然のように横に並んでいる状態の会社が増えていくのがこれからの10年なんじゃないかなと思っています。そうなるためには、先ほどの永見さんの話にもつながりますが、ファウンダーであるCEOというパターンにおいては、その唯一性がすごく大きいですよね。会社の中で明らかに大きい。けれど、 特に2周目人材も含めて、このCFOが入ったら勝てるという、CFOの存在価値が大きくなれば、当たり前のように同じだけの価値、唯一性を持った価値として並んでいくんじゃないかなと思っています。それがスタートアップ業界の中でどんどん増えていく。お金は色がないものだしコモディティなのでわかりづらいところがあるかもしれないけど、間違いなくこのCFOじゃないとできない仕事というのがあると思っています。自分はそう努めてきたつもりだし、そういう仕事をすれば、より世の中にとってCFOの価値がそうなってくるんじゃないかなと思っています。

嶺井:スタートアップエコシステムが拡大した10年をCFOとして牽引してこられた皆さんのメッセージが、きっと今日ここにお集まりのCFOの皆さんのこれからのチャレンジに役に立つんじゃないかと思います。ここからの10年を作っていくのは、ここに集まっていらっしゃる皆さんだと思うのでぜひ一緒に。先ほど永見さんから、1,000億の調達をこの中からやって、次のステージ持っていこうよと、1兆円の会社作っていこうよと、 そういう大きなメッセージをいただきました。ぜひ1人と言わず、2人、3人、ここからですね、そういう調達をして会社を1兆円規模にしていく。そういう渦をここから生み出していけたらなと思いました。では改めて、登壇者の皆さんに拍手をお願いします。